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退職ガイド

退職届・退職願の書き方ガイド|テンプレートと提出マナーを解説【2026年版】

2026年3月12日8分で読めます

退職届と退職願の違い:法的効力がまったく異なる

退職届と退職願は日常的に混同されがちだが、法的な意味は根本的に異なる。どちらを提出するかで、退職の確実性が変わる。

比較項目退職届退職願
性質雇用契約の解約通知(一方的な意思表示)退職の承諾を求める申し出
法的効力会社に到達した時点で効力発生会社が承諾して初めて効力発生
撤回不可(到達後は撤回できない)会社の承諾前なら撤回可能
退職成立提出から2週間後(民法627条)会社の承諾日
使う場面退職の意思が固い場合退職を相談したい・円満に進めたい場合
情報

なお、「辞表」は役員(取締役・監査役等)や公務員が使う書類であり、一般社員が使うものではありません。一般社員が提出するのは「退職届」または「退職願」です。

退職届の書き方:例文テンプレート

退職届は形式が重要だ。以下の項目を漏れなく記載すれば、法的に有効な退職届になる。退職理由は自己都合の場合「一身上の都合」で十分であり、詳細な理由を書く必要はない。

  1. 冒頭: 「退職届」(中央上部に大きく記載)
  2. 本文: 「このたび一身上の都合により、〇年〇月〇日をもって退職いたします。」
  3. 提出日: 実際に提出する日付
  4. 所属・氏名: 自分の部署名とフルネーム(手書き署名が望ましい)
  5. 捺印: 認印を押す(法律上は不要だが、ビジネス慣習として押印が一般的。シャチハタは避ける)
  6. 宛名: 会社の代表取締役社長のフルネーム+「様」(「殿」も可だが「様」が現代のビジネスマナーでは主流)
ポイント

退職届は必ずコピーを1部手元に残してください。提出日の証拠になります。メールで提出する場合は、送信日時が記録に残るため証拠としてさらに確実です。

退職届の例文(縦書き・横書き)

退職届のフォーマットは縦書き・横書きのどちらでも有効だ。会社指定の書式がある場合はそれに従う。指定がない場合は以下の例文を参考にしてほしい。

「退職願」の場合は、「退職いたします」を「退職いたしたく、お願い申し上げます」に変更する。それ以外の書式は同じ。

縦書きの例文

縦書きは伝統的なビジネス書式で、手書きの場合に多く使われる。

「退職届

私儀、

このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。

令和〇年〇月〇日

〇〇部 〇〇〇〇(氏名) 印

株式会社〇〇

代表取締役社長 〇〇〇〇 様」

横書きの例文

横書きはパソコンで作成する場合に適している。署名のみ手書きにするのが一般的だ。

「退職届

令和〇年〇月〇日

株式会社〇〇

代表取締役社長 〇〇〇〇 様

〇〇部 〇〇〇〇

このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。」

封筒の選び方と書き方

退職届は封筒に入れて提出するのがビジネスマナーだ。封筒の選び方と書き方にもルールがある。

  • 封筒のサイズ: 長形4号(退職届をB5で作成した場合)または長形3号(A4の場合)
  • 封筒の色: 白の無地(茶封筒は事務用のためNG)
  • 表面: 中央に「退職届」と記載
  • 裏面: 左下に所属部署と氏名を記載
  • のり付け: 封をして「〆」マークを記載
  • 用紙の折り方: 三つ折り(文面が内側になるように)
注意

郵送で提出する場合は、退職届入りの白封筒をさらに大きめの封筒に入れて送ります。外側の封筒に「親展」と記載し、できれば内容証明郵便を利用してください。到達日が証拠として残ります。

提出のタイミング:法律と就業規則のどちらに従うべきか

退職届の提出期限は、法律と就業規則で異なる規定があることが多い。どちらに従うべきかを整理する。

  1. 円満退職を目指す場合: 就業規則に従い1〜2ヶ月前に提出。引き継ぎや人員補充の時間を確保できる
  2. 一刻も早く退職したい場合: 民法627条に基づき2週間前に提出。法的にはこれで退職が成立する
  3. 退職日に有給消化を組み込む場合: 最終出社日+有給消化日数=退職日として計算。有給の残日数を事前に確認しておく
※期間の定めのない雇用契約(正社員)の場合。有期契約の場合はルールが異なります。
規定期限法的拘束力
民法627条退職申入れから2週間で雇用終了強い(民法が優先する判例多数)
就業規則「1ヶ月前」「2ヶ月前」など会社ごとに異なる弱い(民法が優先する判例多数)
ポイント

有給休暇が何日残っているか分からない場合は、ヤメラボの有給休暇計算ツールで入社日から自動算出できます。退職届の退職日を決める際の参考にしてください。

退職届の渡し方:誰に・どこで・どうやって

退職届を書いても、渡し方を間違えるとトラブルの原因になる。以下のマナーを守ること。

  1. STEP 1

    まず直属の上司に口頭で伝える

    いきなり退職届を渡すのではなく、「ご相談があります」と伝え、個室で退職の意思を伝える。上司を飛ばして人事部に出すのはマナー違反。

  2. STEP 2

    上司の了承を得てから退職届を準備

    退職日・最終出社日・引き継ぎスケジュールを上司と相談し、合意した退職日を退職届に記載する。

  3. STEP 3

    退職届を直接手渡しする

    上司に直接手渡しするのが基本。「退職届をお預けします」と一言添えて渡す。手渡しが難しい場合は人事部経由でも可。

  4. STEP 4

    受理の確認を取る

    退職届を渡した後、受理されたことをメール等で確認しておく。「言った・言わない」のトラブルを防ぐため、記録を残すことが重要。

退職届をめぐるトラブルと対処法

退職届を出す際によく発生するトラブルと、その対処法をまとめた。

トラブル対処法
上司が退職届を受け取らない人事部に直接提出する。それでもダメなら内容証明郵便で会社宛に送付(到達の証拠が残る)
「退職届ではなく退職願を出せ」と言われる会社に退職届の形式を指定する権利はない。退職の意思が固いなら退職届のまま提出してよい
「後任が見つかるまで辞めるな」と言われる後任の確保は会社の責任。民法627条により、退職届提出から2週間で退職は成立する
退職届を出した後に嫌がらせを受けるパワハラに該当する可能性あり。証拠(メール・録音等)を保全し、労働基準監督署に相談
退職日を一方的に前倒しされたこれは「解雇」に該当する可能性がある。解雇なら会社都合退職となり、失業保険の給付条件が有利になる

退職届の提出チェックリスト

退職届を出す前に確認すべきことを一覧にまとめた。

  • 退職届と退職願のどちらを出すか決めた
  • 退職日を決めた(有給消化日数も考慮)
  • 退職届の本文・日付・宛名を正確に記載した
  • 署名は手書きにした
  • 白封筒に入れ、表面に「退職届」と記載した
  • コピーを1部手元に保管した
  • 直属の上司に口頭で退職の意思を伝えた
  • 受理の確認を記録に残した(メール等)

よくある質問